本日のお話

本記事では、納涼会で披露されました、怪談話の傑作選をお届け致します。

本日のお話

これは、世界にごまんといる人間の、ある日の話。いつもの様に、淡々と仕事をした後、居酒屋を横目で見ながら家を目指す。駅のコンコースやペデストリアンデッキでは人々がたむろし、駅ビルの照明が眩いばかりに輝いて自らの影を濃く染め上げた。

やはり自分には薄暗い世界が丁度良いな。

そう思いながら、仕事の息苦しさから解放された気分を少しばかり味わう。デッキのエスカレーターを降りると、大通りを曲がった。